こんにちは、ニシムラ(@nissy421)です。

本日は、英語の現在完了がもっとよく理解できるようになる、欧米と日本の死生観のちがいのお話をご紹介します。

現在完了って?

学校で習った方がほとんどだと思いますが、復習のために「現在完了」について簡単に説明しますね!

現在完了というのは、時間の幅をあらわす英語表現です。

簡単にいうと、

「ずーっと〜してたんだよ」

って言いたいときに使う表現。

たとえば、

He studied English yesterday. (彼は昨日、英語を勉強した)

これは、study(勉強する)の過去形、studeidをつかった表現で、昨日という過去の1点の行動をあらわすことができます。

でも昨日だけじゃなくて、もっと前から「ずーっと」勉強しているんだよ、という時間の幅をあらわしたいときはどうすれば?

そんなとき、現在完了をつかうんです。

上の文なら、

He has studied English.(彼はずーっと英語を勉強している)

いつから?

He has studied English since last year.(去年からだよ)

He has studied English for three years. (3年間だよ)

という風に、現在完了は一定の期間をくっつけて時間の幅をあらわすことができるんです。

それで、この現在完了がわかると、日本と欧米の死生観の違いを理解することができて、とってもおもしろいんですよ。

まずは、この英語を訳してみてください。

He died three years ago.




die は死ぬという動詞です。



彼は3年前に死んだ。

簡単ですね。

では、この文はどうでしょう?

He has been dead for three years.



deadは死んでいるという形容詞です。



正解は、この文もさきほどと同じように「彼は3年前に死んだ」と訳すことができるんです。

でもちょっとまって。

現在完了形は時間の幅をあらわすんでしたよね。

この文を直訳すると、

「彼は3年間ずーっと死につづけている」

というとっても気持ち悪い文になるんです。

どうしてなんでしょう?

実はココに、欧米の死生観が見え隠れしているんですよ。

「彼がずーっと死につづけている」

というのは、裏を返せば、彼が今後生きかえるかもしれないということです。

実は、英語圏の文化では、肉体(body)と魂(soul)をわけて考えているんです。

人が死ぬと、肉体から魂が抜けて、肉体は文字通り肉の塊になります。

欧米人にとって人間とは soul のことで、だからさきほどの文の He は、空っぽになった彼のbodyのことをあらわしています。

He has been dead for three years.

His body has been dead for three years under the ground.

彼のbodyは、土のなかで3年間眠りつづけているよ。

彼の body は、またいつか soul を得ることで生きかえると考えられているんですね。

[aside type=”normal”]正確には、キリスト教では審判の日に死んだ人はみな元の肉体に宿って復活すると考えられています。火葬ではなく土葬をするのはこのため。 [/aside]

アメリカ映画でよくゾンビが登場しますよね。

この死生観がわかると、ゾンビのこともよく理解できます。

ゾンビというのは、人が死んで空っぽになった body が、邪悪な soul に乗っ取られた状態なんですよ。

東洋では「輪廻」という生まれ変わりの思想が一般的ですが、国がちがうと人間の死生観も全然ちがうっておもしろいですよね。

これは完全に私の妄想なんですが、もし本当に人が復活するとしたら、ちょっと話が複雑です。

知ってる方も多いと思いますが、『I Am a HERO』という、大泉洋さん主演で映画化された人気マンガがあるんですよ。

ゾンビ化した人間に噛みつかれた人が、次々にゾンビになってしまうんです。

ゾンビは襲ってくるから倒さなきゃならないんだけど、それがもし親や兄弟、友人だったら。

最愛の恋人だったら。

体を傷つけてしまったら、もう復活できないんじゃ。

復活したときに、痛いんじゃないだろうか。

火葬しちゃったらもう会えないかも・・・。

そんな風に、文化のちがいを知って勝手に妄想しながら読むと、大好きなマンガもより一層楽しくなるんですよね。

私が英語の勉強にハマった1番の理由って、こういう文化のちがいを知ることがおもしろかったからなんです。

外国人と仲良くなりたかったわけではないので、未だに海外にも行ったことがありません。

何もTOEICや英検のような資格にばかりこだわらなくても、こういった視点で英語を勉強してみるのもおもしろいですよ!

英語がもっとおもしろくなる、おすすめの3冊

今日の話がおもしろいと感じたあなたに、ぜひおすすめしたい本をご紹介します。

関正生『世界一わかりやすい英文法の授業』

世界一わかりやすい英文法の授業』は、人気予備校講師の関正生 先生が書いた英文法の本です。

これまでの英文法の参考書とはまったくちがう視点で文法を解説していて、英語ってこんなにおもしいんだ!と再確認させてくれるとってもステキな本です!

実は私が今回の死生観のお話に興味を持ったのも、世界一わかりやすい英文法を読んだのがキッカケなんですよ。

一応大学受験向けの参考書なのですが、中学レベルの文法の知識がある方なら誰でも楽しめます。

マーク・ピーターセン『日本人の英語』

日本人の英語』は、ワシントン大学大学院で近代日本文学を研究し、訪日以来、日本人の英語を長年添削、研究してきた明治大学教授のマーク・ピーターセン氏が、日本人の英語の問題点をまとめた本です。

冷蔵庫には the をつけるのに、電子レンジには my をつける理由など、日本で勉強していてもなかなか気づけないようなおもしろい発見がいっぱいで、こちらもぜひ手にとっていただきたい一冊です。

斎藤兆史『英語達人列伝―あっぱれ、日本人の英語』

英語達人列伝』は、英語の本ではありません。

海外留学をすることなく日本で身につけた、欧米人も舌を巻くほどの英語を武器に世界で活躍した偉人たちのエピソードを、東京大学教授の英文学者 斎藤兆史氏が紹介してくれる本です。

野口英世や新渡戸稲造など、皆さんがよく知っている偉人の、びっくりするようなカッコいいエピソードばかりで本当におもしろい。

もっと英語という言語にワクワクしたい方は、ぜひ一度読んでみてください。

まとめ

今回は、

英語を勉強すると、文化の違いがわかっておもしろいよ

というお話でした。

最近は全然勉強してないけど、英語ってやっぱりおもしろいなあ。