by チルド
「北九州市の名所を案内したい」ということで、今回は、九州のベネチア、水上建築で有名な「旦過市場」をお届けするよ。
僕は、ここで働いていた経験もあるから、わりと詳しいんだよ。
じゃあ、行ってみよう。
こっちは、モノレールの平和通り側の入口。
さっそく中に入りたくなるけど、まずは、旦過市場を上から見ていこう。
旦過市場は、アーケードだけど、アーケードというより、向かい合わせの二階建てアパートに、板を渡したような作りになってるんだよ。
色とりどりのトタン屋根が、歴史を感じさせてくれるよね。浮いてしまったトタンは、石の重りで平らにするのが匠の技。
じゃあ、次は川の方から見てみよう。
これが、旦過市場を川から見た景色。向かって右手が、市場の建物の裏になるよ。
壁面が汚れてるけど、これも歴史の成せるところ。むかしはあの二階の窓から、ダバダバダバー、と水を流していた。
右手の下に見えるのが、違法に埋め込まれた36本の支柱だよ。まるでオリンピアの柱みたい。この柱が、水上建築の土台を支えてる。
中流に見えるオレンジのフロートは、たぶん、ゴミをせき止めてるんじゃないかなー。
ちなみに、この川は、紫川の支流になるよ。
じゃあ、次は、昭和館に行ってみよう。
昭和館は、古き良き時代のシアター。僕は一度も足を踏み入れたことがないけど、もちろん、まだ息をしているよ。
こっちは、昭和館の裏通り。
この区画は道になってるけど、私道なんだよね。まるっと一角が昭和さんの持ち物。
この通りには、バーもあるらしいけど、昼間は区別がつかない。ネットで調べたら、良い店があるかも。
こっちは、クロネコヤマトの旦過営業所。
大切な荷物が、所内に収まりきらず、飛び出しているのがデフォルト。この近代的ロジスティックスが、旦過市場の物流を担ってるんだよ。
ちょっと裏道も寄っていこうか。
いちおう、電気あるんだけど、昼間は消してるね。たまにハエが大発生したりするんだよ。夏になるとエアコンの室外機がガンガンまわって、熱風で50℃くらいになる。だから、エアコンがしょっちゅう壊れる。
足元、気を付けてね。ずっと前だけど、ここで、丸太のようなヘビを見かけたから。どこかのペットショップから逃げ出してきたのかなあ。
ホラ、上を見て。
このあたり、電線がすごいんだよ。今にも発火してしまいそうじゃない?
これがホントの危うい魅力ってやつかな。
じゃあ、本道に戻ろうか。
ところどころシャッターが降りてるけど、おおむね営業しているね。お年寄りが元気に歩いてるよ。
ちなみに、この通路、夜になるとネコと同じくらいの大きさのネズミが元気に走ってる。
7年まえくらいは、川が決壊して、ここが川になっちゃった。
おっと。大學堂がまだあった。
ここは、北九州市立大学の学生が運営してる。まちおこしってやつ。ドラクエのルイーダの酒場みたいなモノかな。
こっちは、旦過市場の、小倉駅に近い入口。地元では「丸和側の入口」って言えばわかる。
最初の川の反対側から見た景色。
左手に見える大きな水上建築が、24時間営業のスーパー。
もともとは、地元スーパーの丸和だったんだけど、広島に本拠地を置く、イズミの資本下になっちゃった。
不景気だからねぇ。
■ 振り返り
ひさびさに旦過市場を歩いたよ。あまり変わっていない印象だった。時間が止まってるみたい。小倉駅の周辺は、わりと変化があるんだけどね。
市役所は、旦過市場の大規模な再開発を目指してるけど、いつになるのかな。
それぞれのお店は、個人経営が多くて高齢だから、補償金くれたらいいのにって話だった。この世の沙汰は金しだいだよ。
建築法、衛生法、消防法からも、アウトローになってしまったこの場所だけど、僕はわりと好きだから、建て替えなんて野暮は言わずに、朽ちるまでそのままでいてほしい。
合掌。
お読みいただき、ありがとうございました。