愛読者諸兄諸姉。
こんにちは、ニシムラ(@nissy421)です。
ブロガーやライターなど、文章を書く仕事にしている人なら、日々文章力を磨くために努力をされていますよね。たくさん本を読んだり、コピーライティングやセールスライティングのようなテクニックを磨く人もいるでしょう。それはとても大切なことです。だけど、文章力やテクニックの前に磨かなくちゃいけない、もっと大切なものがあるんです。
ブロガーが、文章力よりも先に磨かなくちゃいけないもの
日本一の大商人・斎藤一人さんが、飲食店経営に悩む永松さんに最初に教えたことは、小難しい理論やテクニックではなかった。
それは、人間としての魅力をつけること。
飲食店経営者としての努力は相当積んできたという自負が、永松さんにはあった。開業前には有名チェーン店に修行にも行ったし、お客さんに少しでも美味しいものを食べてもらうため、日々試行錯誤している。
「けっこうがんばってきた・・・と思います」と謙虚に答える永松さんに、一人さんは言った。
そう、そういう努力は誰でもするんだよ。ラーメン屋だったら、ツユのダシを工夫したりな。サラリーマンも仕事能力を高めようとビジネス書を読んだり、学校の先生なら授業法の研究をするよ。女の子は、いい服を着て自分の商品価値を高めようとする。ある人たちには、学歴とか資格が付加価値だったりするよね。でもな、魅力のなさはそれだけじゃ補えないんだよ。
これからどんな話がはじまるのか、永松さんはわくわくしていた。これまで”人間には魅力が大切”なんて真正面から言ってくれる人なんていなかった。しかも、相手は生涯納税額日本一の大実業家。興奮しないわけがない。
いいかい。料理屋はうまいものを出せばいいというところに落とし穴があるんだ。仕事能力さえ高ければいいというところに落とし穴があるんだよ。自分に魅力をプラスして、それでいい料理を出そうっていうのならいい。けど、商人として笑顔の研究もしないで、食べ物にいくのは逃げだと思うんだよ。自分に魅力がないのを別のものでプラスしていこうとしているわけだから。そうじゃないだろ。店をやるにもサラリーマンやるにも、また先生やるにもな、まず人間として魅力がなくちゃいけないんだよ。魅力もないのに、シャネルやエルメスで飾ってもなあ。
味のみで勝負!と言い切る無愛想なラーメン屋の大将。満員電車で平然と化粧をするキレイなお姉さん。そんな人々の顔が永松さんの頭によぎった。
そうだろ。これは魅力さえあれば、食べ物がまずくてもいいという話じゃないんだよ。魅力のある人間がつくれば、たこ焼きだって、お茶漬けだって、絶対にうまいんだよ。だって、お客さんに少しでもおいしいものを食べてもらおうと考えるじゃない。そんなことも考えないんじゃ、人間としての魅力がないものな。だから魅力さえあれば、何やってもうまくいくんだよ。人間としての魅力をつけることが第一なんだよ
一人さんは最後に、永松さんに言い聞かせるようにこう付け加えた。
つまり商売は何をやるかじゃなくて、誰がやるかなんだよ。 -「斎藤一人の道は開ける」永松茂久著(2010, PHP研究所)
見事なまでに、ブログにも当てはまる教えだ。何を書いたかじゃない。誰が書いたかが大切。
ボクも、言葉や文章には人一倍のこだわりを持っているし、どんどん言葉を磨いて、とびきりエモい文章を書きたいと思う。あるいは、SEOやWebマーケティング、コピーライティング、セールスライティングみたいなスキルを一生懸命磨く人もいる。
それは大変に素晴らしいことなのだけれども、それだけじゃダメなんだ。読者さんに少しでもおもしろい文章を届けようと文章力を磨くのは大切なことだ。だけれども、いくらいい文章を書いたって、書いた本人に魅力がなかったらきっと響かない。
日本マクドナルドの一号店が銀座にオープンしたとき、窓際の席にスーツ姿のサクラをズラッと並べてハンバーガーを頬張らせたのは有名な話だが、同じことをしたって誰でもうまくいくわけじゃない。藤田田だからこそ、ハンバーガーなんて誰も興味がなかった日本で、”金髪のねーちゃんに街中でハンバーガーを頬張らせる”という強い意志を持った藤田田という大人物だからこそ、ハンバーガーを日本人の国民食へと押し上げ、マクドナルドの名を轟かせることができたのだ。
対面の商売と違って、顔の見えないブログという商売では、読者に笑顔を振りまくことはできない。相手の表情が見えない分、文章による対話は少々レベルが高い。でもだからこそ、おもしろい。ネット回線一本で繋がった会ったこともない人間を、自分の書いた文章で爆笑させたり、号泣させたり、激昂させたり、そんなことが可能なブログというメディアの魅力は底知れない。
だからこそ、まずは人間力。リアルで人に影響を与えうる人間力を磨くことが大切なのだと思う。一見遠回りに見えるけれども、リアルですら目の前の人ひとりロクに笑顔にできない人間に、文章で動かすことなんてできるわけがないじゃないか。
人間の魅力を磨いてWebの世界に出ていけば、百発百中、天下無双。別にブログじゃなくたって、そんな人なら何をやったって成功するはずだ。