神田カレーマップ(カレーグランプリ)の掲載店を巡るカレー旅。
今回は、東京都千代田区の神田神保町にある共栄堂へ行ってきた。
大正14年創業の老舗で、日本で唯一のスマトラカレーライスを味わうことができる。
「神田カレー街公式ガイドブック2017」で知って以来、ずっと行きたいと思っていた念願が叶って嬉しかった。
実際に口にするまではスマトラカレーと言われてもピンと来なかったのだが、今まで食べたことのないような奥深いカレーだった。
スマトラカレー共栄堂の歴史
共栄堂のスマトラカレーは、スマトラ島のカレーを元にしたオリジナルのカレーライスだ。
明治の末に伊藤友治郎氏がスマトラ島のカレーの作り方を学び、日本人の口に合うようにアレンジしたものが共栄堂のスマトラカレーの発祥なのだそう。
そもそもスマトラ島はどこにあるのだろう、と思って調べてみた。
スマトラ島は、東南アジアにある。マレー半島の南、ジャワカレーでお馴染みジャワ島の隣にあるインドネシアの大きな島だ。2004年12月に発生し、25万人もの命を奪ったスマトラ沖地震は記憶に新しい。
東南アジアのカレーだからやっぱり辛いのだろうが、共栄堂ではカレーソースにとくにこだわっているようだ。
当店の独特の黒濃色のソースは、小麦粉を一切使わず、26種類の香辛料と、形のなくなる まで煮込んだ野菜、肉のうまみが凝縮されたカレーです。
香辛料は1時間かけてじっくり炒め、何時間も煮込んで作ったカレーは、 サラリとした食感ながらも、濃厚な味わいです。
具材はポーク・チキン・ビーフ・エビ・タンとありますが、どれも別々に煮込んでいるため、 すべて味が異なります。 引用:スマトラカレーについて | 東京神田神保町のスマトラカレーライス共栄堂
26種類の香辛料!さらにライスのお米には新潟産の極上コシヒカリを使っている。
共栄堂のメニューはポーク、チキン、ビーフ、エビ、タンとハヤシライスがあるのだが、具材ごとに味が異なるなんて言われたら通うしかないじゃないか。
スマトラカレー(チキン)の感想
共栄堂は、地下鉄の神保町駅A5出口から徒歩1分のところにある。三省堂や書泉グランデのちょうど向かい側。
目印の黄色い看板の横の階段を下りると、地下1階に昔ながらの喫茶店を思わせるようなお店が立っている。
今回ボクが頼んだのはチキンカレーだ。タンも捨てがたかったが、健康を気にしてヘルシーなチキンを選んだ。
まずびっくりしたのが、提供のスピード。注文しておしぼりで手を拭く間もなくウェイターの紳士がカレーを運んできてくれた。たぶん時間にして30秒くらいだと思う。
ランチの時間をとうに過ぎて空いていたのもあるが、老舗なのに早いというギャップに驚いた。
神田神保町はカレー街として有名だが、ひとつには学生が本を片手にスプーンでサッと食べられるファストフードとして流行った影響があるらしい。そう考えれば提供スピードが早いのも納得がいく。
共栄堂のカレーはライスとソースが別々に提供される。
黒みがかったソースの中心にある白いラテアートのような部分は、チーズと生クリームだろうか。
ソースを少しライスに掛けて一口食べてまたびっくりした。
今まで食べたことがない味だ。とくに辛さが独特で、口に入れた瞬間はサラッとしているのに、後から苦味の効いたコクのある辛さがじんわりと広がっていく。
チキンは大きな塊が3つも入っていて、ボリュームも申し分なし。
なるほど、これは家庭ではちょっと食べられそうにない。90年以上続く歴史を思うと感動も一入だ。
それと写真を撮り忘れてしまったが、サービスのポタージュスープがめちゃくちゃ美味しかった。見た目はサラッとしているのに非常に濃厚で、カレーでピリピリする口休めによく合う。スープだけおかわりしたいくらいだった。
おかわりといえば、ルーの配分を間違って若干ライスが余ってしまった。ソースだけの大盛もできるようなので次からはうまく調整しよう。
それから表の看板にも書いてあったが、ランチタイムの混雑時には相席になることが多いようなので、ゆっくり食べたいなら時間を少しずらして訪ねたほうがいいだろう。
スマトラカレー共栄堂の詳細情報
[aside type=”boader”] ◇共栄堂
【住所】東京都千代田区神田神保町1-6サンビルB1
【アクセス】都営三田線・都営新宿線・営団半蔵門線「神保町駅」A5出口より1分
【営業時間】11:00~20:00
【定休日】日曜(祝日は不定休)
【電話番号】03-3291-1475
【ホームページ】スマトラカレー共栄堂 東京神田神保町のカレーライス[/aside]