愛読者諸兄諸姉。
こんにちは、ニシムラ(@nissy421)です。
今日は12月24日、クリスマス・イブだ。そして明日(もう日付を跨いだので正確には今日)はクリスマス。
新宿や渋谷の街は今ごろ、キャッキャウフフなカップルでごった返しているのだろう。
ボクはといえば、パーリーナイトを満喫してきたギャルが騒ぐ近所のコンビニで、定価398円のチッキンが税込み200円で山のように積まれているのを見て、「そうか、今日はクリスマス・イブだった」と気づいたくらい、聖夜とは縁遠い。
とはいえ、実はクリスマスというイベントにはなかなかガッツリ乗っかってきた人間で、ディズニーリゾートのホテル宿泊や表参道の隠れ家ディナーなど、庶民なりにその時々の最愛の人を喜ばせるために趣向を凝らしてきた。
でも今日はそんなことはどうでもよくて、ボクがはじめて家族以外の人とクリスマスを過ごした(かった)苦い経験をお話したい。
たいしたオチもないし誰も得しないんだろうけれど、まあいいじゃないか。おじさんのどうしもなくくだらない初恋の苦い思い出でハッピーメリークリスマスに思いっきり水を差して差し上げよう。
グッバイ、クリスマス
ボクがはじめて家族以外の女子と過ごした(かった)クリスマスは、中学3年生のときのこと。
彼女とは中学の同級生だった。男2人、女2人の仲良し4人組で放課後や休日にワイワイやっていたら、いつのまにかボクと彼女を除くふたりが付き合うことになった。そうなると残ったふたりも意識しないわけがなくて、自然と距離が縮まっていき、付き合うことになった。受験の迫る11月下旬のことだ。
彼女はサバサバした男勝りの性格で、漫画を書くのが得意だった。顔はあんまり覚えていないけれど、黒髪ロングがよく似合うキレイな子だったような気がする。
告白したのはボクから。人生初の告白に緊張しまくり。人気のない川辺に彼女を呼び出して、他愛もない話を遮るようにひと言「ぼ、ぼくと付き合ってください」と。後から彼女に「ガチガチでマジウケた」と言われたときにはそれなりにショックを受けた気がする。
付き合うといったって当時の田舎の中学生の恋愛なんてものはたかが知れている。遊び慣れているヤンキー様ならともなく、こちとら塾通いでお勉強ばかりしている真面目くんだ。付き合ったという事実だけがそこにはあって、ふたりの関係はそれまでと何も変わらなかった。
放課後、自転車にノーヘル(校則でヘルメットの着用が義務づけられていた)で2ケツして帰ったり、家電の子機(平成生まれには信じがたいことだろうが、当時はケータイなんて文明の利器は存在しなかった)をベランダに持ち出し何時間も電話して親に怒られたり、休みの日にカラオケに行って彼女の宇多田ヒカルを聴きながらポルノグラフィティのサウダージを熱唱したり、そんな他愛のない恋愛ごっこをしているだけで十分楽しかった。
そんなこんなで何ひとつ進展しないまま、気がつけばクリスマスが迫っていた。はじめて彼女と過ごすクリスマス。気合が入らないわけがない。しかも相手は盛りのついた中学生男子ですぜ。手を繋ごうか、キスをしようか、あるいは、、、妄想は無尽蔵に膨らむ。
前の週の休みに、ありったけのお小遣いをつぎ込んでプレゼントも用意した。当時地元で一番オシャンティだった雑貨屋ブルドッグにて、置き時計と何かを2、3個買った覚えがある。友人たちに散々相談しまくって、絶対に喜んでくれるはずだと確信していた。
そしていよいよ待ちに待ったクリスマス当日、、、とはならなかった。
どうもこの辺の時系列が曖昧で、クリスマスに振られたという事実だけが強烈に記憶に残っているのだけれど、はたして振られたのが当日だったのか、前日だったのか、もっと前だったのか、ハッキリしない。でもクリスマスの直前に「あなたは重い」という意思表示とともに振られたのだけはたしかで、結局手も繋がないまま友達に戻ってしまった。
彼女がサバサバしているおかげで、別々の高校に行ってからも共通の友達を介してよく遊んでいたのだけれど、いつの間にか会うこともなくなった。父親の仕事の都合でその地域には3年ほどしか住まなかったので、私立の女子高に進学した彼女がその後どうなかったのか、風のウワサも聞こえてこない。明るくて元気な子だったし、きっとバリバリ働いて、幸せな家庭を築いているんだろう。
書いていれば何かおもしろいオチが浮かぶかと思っていたけれど、結局何も出てこなかった。しかしクリスマスの朝にくだらない物語で水を差すという当初の目的は達したように思う。来年こそ、キャッキャウフフな聖夜を。
グッバイ、クリスマス。