Cisco Packet Tracerというソフトウェアを使ってネットワーク構築のシミュレーションをしているのだが、これがなかなかどうしておもしろい。
あーでもないこーでもないと右往左往しながらコマンドを打ちまくり、ようやく繋がったときの快感は一入だ。
ネットワーク構築の手順
トポロジを書く
ネットワークを構築するときは、まずトポロジ(設計図)を書く。そして書いたトポロジーを元に構築していく。
これをしないと何が何やらわけがわからなくなる。
トポロジには、PCやルーターなど各機器のインターフェースのIPアドレスとサブネットマスクを記入しておく。
cf) 192.168.1.10 / 24 (イチクニイチロハイチテンイチゼロプリフィックスニジュウヨン)
インターフェースは1つの機器に1つとは限らない(=IPアドレスは1つとは限らない)ので注意。
PCの設定をする
トポロジを書いたら、まずはPC側の設定をする。
設定をするのは4箇所。
- IP address
- Subnet Mask
- Default Gateway
- DNS Server
Default Gateway
Default Gatewayとは、ネットワークの出入り口となるインターフェイスのIPアドレス。
IPアドレスは各機器のインターフェイスに付与される。
ネットワークは、同じネットワーク内でしか通信ができない。
違うネットワーク同士はL3(ルーターなど)機器でつなぐが、そのときの出入り口となるインターフェイスのIPアドレスがDefault Gatewayである。
Default Gatewayは、原則1つのネットワークに1つだけ付与される。
よく似ているが、GatewayとDefault Gatewayはまったく別物。Gatewayはプロトコル変換ができるネットワーク機器のこと。だから、Default GatewayをGatewayとは略さない。
ルーターの設定をする
PCの設定が終わったら、ルーターの設定をする。
設定するのは、各インターフェイスのIPアドレス[Router(config-if)#ip address~]と、経路選択[Router(confing)#ip route]
ルーティング
ルーティングは、ネットワークの経路選択を行うこと。
Static Routing(静的、手動)とDynamic Routing(動的、自動)がある。
CCNA(R&S)では、RoutingとSwitchingの知識が問われる。
Static Routingの設定
Static Routingは、グローバルコンフィグレーションモードで行う。
Router(config)#ip route ① ② ③
①最終目的地(宛先)のネットワークアドレス
②最終目的地のサブネットマスク
③ネクストホップアドレス
=最終目的地に行くために、自分から見て一番近いインターフェイスのIPアドレス
例)
Router(config)#ip route 192.168.2.0 255.255.255.0 192.168.0.2
設定の例
Router>en
↓ユーザーEXECモードから特権EXECモードへ
Router#conf t
↓特権EXECモードからグローバルコンフィグレーションモードへ
Router(config)#int f 0/0
↓グローバルコンフィグレーションモードからインターフェイスコンフィグレーションモード(0/0)へ
Router(config-if)#ip address 192.168.1.1 255.255.255.0
↓IPアドレスとサブネットマスクを入力する
Router(config-if)#no shutdown
↓ipアドレスを設定したら設定を有効化する(no shutdown)のを忘れない
Router(config-if)#end
↓一度特権EXECモードへ戻って設定の確認をする(※何か設定をするたびにチェックする)
Router#show running-config
↓同じ手順でインターフェイスコンフィグレーションモード(0/1)へ移行して次のインターフェイスのIPアドレスを設定する。
Router#conf t
↓
Router(config)#int f 0/1
↓
Router(config-if)#ip address 192.168.0.1 255.255.255.0
↓
Router(config-if)#no shutdown
↓
Router(config-if)#end
↓設定を確認したら、グローバルコンフィグレーションモードでルーティングを行う。
Router(config)#ip route 192.168.2.0 255.255.255.0 192.168.0.2
※設定の前に、グローバルコンフィグレーションモードで
Router(config)#no ip domain-lookup
を入力しておくと、ご入力をした際の待ち時間がなくなる。
ネットワーク構築の注意点
物理と論理
ネットワークを構築する(トポロジ)ときには、物理と論理の両方が大切。
設定(論理)があっていても配線(物理)が間違っているとつながらない。
接続の順番
たとえばL2スイッチには24個の差込口があるが、どの口に接続するかは一定のルールがある。
PCなどのノードをつなぐときは、小さい数字から。(1,2,3~)
ルータなどのネットワーク機器をつなぐときは、大きい数字から。(24,23,22~)
ちなみに・・・
ネットワーク内のIPアドレスをPCやネットワーク機器に設定するときのホスト番号も、同様のルールで設定する。