「Diner ダイナー」蜷川実花と藤原竜也が作り出す圧倒的な世界【映画レビュー】

7月14日に蜷川実花監督×藤原竜也主演の映画『Diner ダイナー』を観てきた。

藤原竜也ファンなら間違いなく大興奮する作品だった。

本記事では、これからダイナーを観る人に向けて、ダイナーの見どころを3つご紹介する。

一番カッコいい藤原竜也をわたしが撮らなければいけない!

本作の監督は蜷川実花(にながわみか)だ。

これまで「さくらん」や「ヘルタースケルター」など女性が主役の作品を撮ってきた蜷川監督が、父親である故・蜷川幸雄監督の愛弟子だった藤原竜也と初タッグを組んだ。

独特の美しい世界観が楽しめるダイナーの中でも、蜷川監督がとくにこだわったのがカッコイイ藤原竜也だ。

「一番カッコいい藤原竜也をわたしが撮らなければいけない!」

役者として一流の藤原竜也の演技や人間がカッコイイのは当たり前。

ビジュアルだけでも圧倒的にカッコイイ藤原竜也を撮るために相当試行錯誤したという。

たしかに、今作の藤原竜也には痺れた。

「バトル・ロワイヤル」の七原秋也も「デスノート」の夜神月も「カイジ」の伊藤カイジもカッコよかった。

でも「ダイナー」の元殺し屋の天才シェフ ボンベロには、これまでにないほどの深みが感じられる。

普通の人間を超越した圧倒的に強くて美しい存在。

原作のボンベロがどれほど男前なのかはわからないが、劇場に足を運べば過去最高にカッコイイ藤原竜也が見られるはずだ。

▼関連
一番カッコいい藤原竜也を!『Diner ダイナー』蜷川実花のこだわり – シネマトゥデイ

蜷川実花が作り出す花びらが舞い散る美しい世界観

蜷川監督の作品にはどれも、独自の世界観がある。

監督名を伏せられても、

「これは蜷川実花の作品だ」

とひと目でわかるような芸術的で美しい世界。まさに蜷川実花ワールド。

劇中何度か登場する花びらが舞うシーンなどはとくに象徴的だ。

ここで花びらが舞うのか!?という新鮮な驚き。

映像化不可能といわれていた平山夢明の原作を見事に表現している。

正直、予告編を見たときにはカラフルすぎて目がチカチカした。

ちょっとうるさいくらいに感じていた。

でも本編では色鮮やかな演出がストーリーを盛り上げるアクセントになっていてまったく邪魔しない。

それに出演メンバーがすこぶる豪華だった。

主役級の役者が次々と死んでいく。

マテバ役の小栗旬なんて、ほとんど登場シーンもないままに序盤で散ってしまい、

「小栗旬をこんな風に使うなんて贅沢すぎ!」

と逆に興奮してしまった。

あと女優さんはあまり詳しくないんだけど、玉城ティナさんが演じるオオバカナコがとにかくかわいかったし、過去に働いていたウェイトレスの写真にさらっと宮脇咲良ちゃんがいたのにもびっくり。

ダイナーに込められたメッセージとは?

インタビューの中で蜷川監督が、映画ダイナーにはいくつかのメッセージが込められているという話をされていた。

たとえばカナコが魅せれれたメキシコの死者の祭りに関して、蜷川監督はこんなコメントを残している。

「メキシコの死者の祭りは色鮮やかで華やかではありますけど、明るいだけではないんですよね。私はいつも、明るいことや楽しいこと、暗くて辛いことなど色んなことが混ざり合ってるから世の中は美しいと思っていて。今作には“何か大変なことが起きても大丈夫でいられる強さをいかに持つか”をテーマのひとつとして盛り込みたいと思いました。死者の祭りがその象徴のひとつとして映ったらいいなという気持ちはあります」

あるいは夢や目標を持てず、社会との断絶や疎外感を感じるカナコに自分を重ねる人もいるだろう。

個人的にはスキンのスフレが印象的だった。

ネタバレになるので詳細は避けるが、スキンのように「叶わない夢や目標が生きる糧になっている人間もいる」し、夢は必ずしも叶えることが幸せではないのかもしれない。

目の前にニンジンをぶら下げられた馬車馬のように叶わない夢を追いかけ続ける人生の価値は、当事者である馬にしかわからない。

でもきっと100人いれば100通りの感じ方があると思う。

「このシーン(言葉)には一体どんなメッセージが隠されているんだろう?」

と、ミステリーの謎解きをするように蜷川監督の想いを感じながら観るのも、ダイナーの楽しみ方のひとつだ。

映画『Diner ダイナー』の予告編・メイキング動画・関連動画

YouTubeで公開されているダイナー公式の予告編やメイキング動画をまとめておく。

映画『Diner ダイナー』本予告【HD】

『Diner ダイナー』ストーリー特別編

映画『Diner ダイナー』公開記念ナビ番組~美しきキャストたち~

映画『Diner ダイナー』公開記念ナビ番組 ~刺激的なキャラクター編~

映画『Diner ダイナー』本編映像(スキンのスフレ)

映画『Diner ダイナー』公開記念ナビ番組 ~映画監督 蜷川実花編~

DAOKO × MIYAVI – 「千客万来」 Music Video(映画『Diner ダイナー』主題歌)

映画『Dinerダイナー』「一番ヤバい殺し屋は誰?」【360度×クロストーク】

映画ダイナー主演の藤原竜也さんと監督の蜷川実花さんに独占インタビューしてきました

映画『Diner ダイナー』の作品情報

作品タイトル Diner ダイナー
キャスト 藤原竜也/玉城ティナ/窪田正孝/本郷奏多/武田真治/斎藤工/佐藤江梨子/金子ノブアキ/小栗旬/土屋アンナ/真矢ミキ/奥田暎二ほか
監督 蜷川実花
脚本 蜷川実花/後藤ひろひと/杉山嘉一
原作 平山夢明「DINER ダイナー」
主題歌 DAOKO × MIYAVI 「千客万来」
劇場公開日 2019年7月5日
上映時間 117分
公式サイト 映画『Diner ダイナー』オフィシャルサイト
公式Twitter @DinerMovie
公式Instagram @dinermovie
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