by ニシムラケイイチ

私の大好きなドラマ『リッチマン、プアウーマン』の見どころのひとつは、小栗旬扮する主人公の日向徹が発する数々の名言にある。

その珠玉の名言は、NAVERまとめをはじめ数々のまとめサイトで名言集として紹介されているほどだ。

そんな日向徹の歯に衣着せぬ物言いの中でも、とくに強烈でインパクトがあったのがコレ。

常識は凡人のためのルール?

常識?ああ、凡人が仲良く生きるためのルールのことか

第2話の序盤、ネクストイノベーションの取締役会のあと、日向の無礼な態度に憤慨する取締役たちに対し、山上(佐野史郎)が「困りますねえ、常識のない人間は」となだめているときに発せられた言葉だ。

リアルで発言すれば炎上間違いなしの中二病発言も、日向徹の口から出た途端、一気に説得力を帯びる。

痛い発言にも見えるが、意外と的を得ているのではないだろうか。

常識というのは真理ではなくて、その時代や土地で形成された流行に過ぎない。

流行が廃れることなく時代を重ねると常識と言われるようになる。

たとえば”大人の男性がタバコを吸う”ことは、30年前には世の中の常識だった。

しかし、今それを常識だと言う人間はいない。

タバコを吸うという流行が廃れ、喫煙者と非喫煙者のパワーバランスが変化したからだ。

非喫煙者が世間のマジョリティになったために、タバコを吸うという常識は非常識へと反転した。

タバコを吸うのが体に悪いことが証明されたからだ。

いや、そんなことは昔から分かっていたこと。非喫煙者というマイノリティの声が黙殺され、喫煙という流行が長らく世間を牛耳ってきたのだ。(その流行を支えたメディアのステマについてはまた別の話)

仮に世の中の人間の大半が凡人であるとすれば、凡人というマジョリティが仲良く生きるためのルールが常識であるという考え方は、まったくその通りであろう。

ただし、(喫煙が悪であるというのは真理に思えるけれども)マジョリティの主張がいつも正しいとは限らない。

あなたの知らないところで、マイノリティの発する真理が黙殺されている可能性だって十分にある。

だから、「常識だよね」「当たり前だよね」という言葉は大変便利だが、ときには”常識と言われる物事”と少し距離を置いて俯瞰することも大切かもしれない。

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