昨日は仕事帰りに、酒好きの同僚と居酒屋へ行ってきた。

元々付き合いのいい人間ではないが、卒酒してからはとくに飲み会を避けるようにしている。

「断酒したら、付き合いが悪いと思われるんじゃ?」

「お酒をやめたら楽しみが減るんじゃ?」

断酒や卒酒に興味はあるけど、酒をやめることによるデメリットに不安を感じる人も多いと思う。

ボクもそうだった。

でもやめてみたら、困るどころか毎日が充実してワクワクしている。

俺は飲むからお前は食べな

昨日は誘われたわけではなくて、ボクから同僚を食事へ誘った。

1秒でも早く家に帰って猫とイチャイチャしたい病気なので、ボクから人を食事に誘うなんて池田湖のイッシー※に遭遇するくらい珍しい。※鹿児島県指宿市の池田湖に生息するといわれる未確認生物

誰が読んでいるかわからないし詳しいことは書かないけど、食事に誘いたくなるくらい素敵な人だ。※同性です

仲良くなったのは最近なんだけど、酒を飲まない人ともよく飲みに行くという話を聞いてびっくりした。

自分が酒飲みだったからわかるけど、

飲まないやつと飲みに行ったっておもしろくないやん!

となるのが普通だろう。

でもその人は相手が酒を飲もうが飲まなかろうが全然気にしない。

「僕は(酒を)飲むから〇〇くんはたくさん食べて」

と、ほとんど食べずにニコニコしながらビールを飲んでいる。

酒を飲まなきゃというプレッシャーもまったく感じないので、ボクはジンジャーエールを片手に麻婆豆腐やら餃子やら棒々鶏やらをリラックスして楽しむことができた。

しかしおもしろい人もいるもんだなあ。

酒を飲まないやつは付き合いが悪い?

飲み会にしょっちゅう参加しているような人なら、たしかに酒を飲まなくなると付き合いは減ると思う。

でも酒を強要するような人とは付き合わなくてもいいんじゃないかな?

もう酒が飲めないと仕事がとれない時代でもないし、アルコール・ハラスメントという言葉も生まれて、社会人の飲酒に対する意識も変化しつつある。

アルコール依存や薬物依存の問題に取り組む特定非営利活動法人ASKが、「アルハラの定義5項目」を定めている。

【アルハラ】

アルハラとはアルコール・ハラスメントの略。飲酒にまつわる人権侵害。命を奪うこともある。

特定非営利活動法人ASKおよびイッキ飲み防止連絡協議会では、以下の5項目を主要なアルハラとして定め、啓発活動を実施しています。

① 飲酒の強要
上下関係・部の伝統・集団によるはやしたて・罰ゲームなどといった形で心理的な圧力をかけ、飲まざるをえない状況に追い込むこと。

② イッキ飲ませ
場を盛り上げるために、イッキ飲みや早飲み競争などをさせること。「イッキ飲み」とは一息で飲み干すこと、早飲みも「イッキ」と同じ。

③ 意図的な酔いつぶし
酔いつぶすことを意図して、飲み会を行なうことで、傷害行為にもあたる。ひどいケースでは吐くための袋やバケツ、「つぶれ部屋」を用意していることもある。

④ 飲めない人への配慮を欠くこと
本人の体質や意向を無視して飲酒をすすめる、宴会に酒類以外の飲み物を用意しない、飲めないことをからかったり侮辱する、など。

⑤ 酔ったうえでの迷惑行為
酔ってからむこと、悪ふざけ、暴言・暴力、セクハラ、その他のひんしゅく行為。

飲酒を強要することも、飲めない人への配慮を欠くことも立派なアルコール・ハラスメントなのだ。

酒を飲まないことで引け目を感じる必要はないし、引け目を感じるような相手とはムリをして飲みに行く必要もない。

反対にムリをして酒を飲んででも付き合いたいと思うような相手なら、シャッターを全開放してガッツリ飲めばいい。(卒酒失敗?酒を飲まない自分ルールよりも大切なモノ

卒酒をして手に入れたもの

卒酒をしてボクが手に入れた一番の収穫は「時間」だ。

まずは仕事後に帰宅してから寝るまでの時間。

卒酒するまでは、ほぼ毎晩スーパーの惣菜やコンビの弁当を肴に発泡酒を飲んでいた。

量はだいたい1.5〜2リットル。

酒を飲みながら読書をするなんてお方もいるらしいが、ボクの場合酒を飲むと思考が完全に停止するので、映画1本見るのすら難しい。

たいていYouTubeを垂れ流しながらダラダラ飲み続け、眠くなったらそのまま布団へダイブ。

そんな毎日を送っていた。

卒酒をした今はというと、18時過ぎに帰宅して19時をメドに夕食や洗濯などの雑事を終わらせる。

その後就寝時間の21時までを翌日のブログの準備と読書に充てている。

もちろん毎日きっちりこの通りにできるわけではないが、ダラダラ酒を飲むのに比べたらはるかに健全な生活。

もうひとつ、翌朝の時間の管理がすこぶるやりやすくなった。

というのも酒を飲んでいた頃は、就寝時間がまったく読めなかった。

眠くなったら寝るという習慣だったので時間はマチマチで、当然翌朝の起床時間も定まらない。

目覚ましは寝ぼけて止めるし、二日酔いで布団から出られないことも多々あり。

だから朝活をやろうと思ってもなかなか思うようにできなかった。

でも今は21時目標で遅くとも22時には就寝するので、翌朝もほぼ毎日3時に目が覚める。

起きたら熱いシャワーを浴びて4時までに掃除やら雑事を終わらせ、4~7時までの3時間ブログを執筆する。

7時から出勤の準備をして会社へ。

理想的な生活リズムが徐々に身体に染み付いてきた。

人生から酒を排除しただけで、こんなにも心穏やかで安定した日々を手に入れることができるなんて。

この充実した毎日を手放すくらいなら、酒なんて一生飲まなくても全然平気だ。

楽しみが減るどころか、酒をやめて毎日がグンと楽しくなった。

追伸

酒好きの人と居酒屋に行くって、正直怖かったんですよ。

意志が弱い人間なので、もしかしたら流れに任せて飲んじゃうんじゃないかって。

でも一緒に飲みにいった同僚が本心から「飲まなくていいんだよ」と言ってくれたので、心置きなく食事を楽しむことができました。

ボクもすべてを包み込むような、ああいう空気感を出せる大人の男になりたいなあ。

(Photo by PublicDomainPictures)