いつのまにか、当ブログで昨年書いたとある1記事から購入された商品の、これまでの合計販売額(アフィリエイト報酬額ではない)が100万円を超えていた。販売数も100本を超えている。ブログの更新はしばらく滞っていたのだが、この記事からの売り上げは落ちることなく、ずっと売れ続けている。

 もちろん大前提として紹介した商品が魅力的なのであって、決してボクの販売力が優れているわけではない。わけではないが、売るためにずいぶん頭を悩ませたのは事実だし、売れ続けているのにはそれなりの理由があるはず。そこで今回は、実際の記事を見ながら、その要因を分析してみようと思う。

 冒頭の売れ続けている記事というのは、ワードプレステーマの選び方について書いた「無敵のワードプレス有料テーマ!ハミングバードが超人気な5つの理由」のことだ。記事と分析を見比べながら読んで頂ければよりわかりやすいはずだ。

1 自分で購入して使ってみる

 ボクは、これが一番大切なことだと思っている。自分で購入して使ってみて、満足したモノを紹介する。

 世の中には、自分が使ったことがない商品だろうが興味のない商品だろうがバンバン売ってしまう、恐るべきセンスを持った人間が存在する。営業をやっていたときにも、そういう人間を何人も見てきた。

 しかしふつうの人は、自分が納得していない商品にそこまでの熱量を込めることはできないはずだ。まして文章で商品の魅力を伝えようと言うのだ。小難しいテクニックを考えるより、友達に「この商品サイコーだよ!」と教えてあげるつもりで、純粋な好きの気持ちを120%のテンションで表現したほうがいい。

 ボクは心の底からハミングバードというワードプレステーマを気に入っていて、それまでは数万円のテーマを2~3ヶ月でコロコロ変えてきたが、ハミングバードに出会ってからは飽きることなく1年以上使い続けているし、ウェブ上がハミングバードやストークだらけになってもやっぱり使い続けるつもりだ。だから記事の中でボクはひたすら「ハミングバードって最高だよね!」という本音を言葉にしているだけで、それが読者にも伝染して売れるのだと思っている。

2 キーワードを徹底分析する

 アフィリエイト用の記事を書くときには、キーワードを徹底的に分析する。具体的にはgoodkeywordGoogle AdWords: Keyword Plannerなどのツールを使って、その記事をどんなキーワードで上位表示したいのかを決定する。キーワードはそれなりに検索ボリュームのあるもので、できれば2語、もしくは3語の複合キーワードを選ぶ。

 キーワードが決まったら、今度は関連キーワードを洗い出す。ボクはアナログな人間だから、アフィリエイト記事を書くときにはめぼしいキーワードをすべて情報カードに書き出して、使ったワードを赤ペンでチェックして漏れを防いでいる。

 ここまで分析して記事にしても、箸にも棒にもかからないこともある。だけど分析せずに書いてまぐれで当たることはまずないと思ったほうがいい。

3 売りたい商品を買いたい読者を集める

 ブログから商品を売るためには、売りたいモノと買いたい人をうまくマッチングしなければならない。見込み客を集めずにアレコレ売ろうとするのは八百屋でパソコンを売っているようなもので、ほとんど売り上げにはつながらない。ブログでは、自分が売りたい商品を買いたい人は誰なのかを分析し、その人たちが興味を持つような記事をたくさん書く。

 ボクは去年の9月頃から3ヶ月程、ひたすらブログ運営の方法やワードプレスのカスタマイズについての記事ばかりを書いていたが、それはブログをはじめたい人やすでにブログを書いている人を集めるためだったし、実際にたくさんのブロガーさんが読んでくれるようになった。

 話題になって被リンクがつけば、Googleの評価も上がって検索流入が増える。結果的に売り上げもアップするのだ。月間100万PVのプロブロガーになるための情報吸引の法則でも書いたとおり、欲しい情報や人があったらそれについてどんどん書くべきだ。

4 商品は1つ、言いたいことは3つに絞る

 アフィリエイトに限らず、人にモノを伝えるときには、何を言うかよりも何を言わないかが大切だ。文字数が多いほうがGoogleに評価されるからと言って、ダラダラ書けばいいわけではない。1つの記事で売る商品は1つに、言いたいこと(=見出し)は3つか4つに絞る。10も20も書いては読者も混乱する。

 ボクは以前、ハミングバードの記事で欲を出してほかのブランドのテーマをいくつも紹介していた。「自分で好きなものを選んでくださいね」というスタンスで。しかしそのときにはまったく売れなかった。リアルで営業をしていたときにもそうだったが、こっちが選択肢を絞ってあげないと「アレもいいですよ。コレもいいですよ」ではお客さんはいつまでたっても決めることができない。

5 中身と未来を見せる

 読者が求めているのは、買わないとわからない情報と買ったあとに訪れる未来だ。だからせっかく商品を購入したのであれば、中身を見せること、買ったあとの変化を書くことを意識する。ボクの記事で言えば、ハミングバードのショートコードは本当に便利で執筆がラクになった。しかしどれくらい便利かは使った人にしかわからない。だからショートコードだけをひとつひとつ解説する別記事まで作って紹介した。

 テーマ製作者の方とのメールのやりとりやサポートの様子なども、購入した者にしか書けないリアルな声だ。それから別記事ではあるが、求人系のアフィリエイトで、実際に載っている(登録しないと見ることができない)案件の詳細な内容を書くことで成果が出ている記事もある。

 余談だが、秒速1億円男の与沢翼氏が、無名時代にアメブロではじめてアフィリエイトをしたのは「ホリエモンのパソコン教室」というDVD教材だった。与沢氏はこれを自分で購入して、中身の写真を何十枚も撮り、使ってみた感想やプログラミングの必要性を詳細に記事にした。結果、1つ1万円の教材が一夜にして20本売れたという。

6 ウザいくらいにクロージングをかける

 いくらいい紹介文を書いても、クロージングをかけなければ商品を売ることはできない。記事下に1個リンクを貼っただけではダメだ。読者は記事下に到達するまえに、購入ページを求めて離脱しているかもしれない。

 リアルの営業では、テストクロージングといってトークの要所要所で「買いませんか」と購入をうながす。お客さんのモチベーションは絶えず変化していて、ある一定のラインを超えて買いたいゾーンに入ったときに「買いませんか」とクロージングをかけることで購入にいたるからだ。せっかく気持ちが買いたいゾーンに入っているのに、こちらが「買いませんか」と聞いてあげなければ、いつのまにかテンションが下がって「やっぱり止めとく」となってしまう。(参考:現役スタッフが教えるクレジットカード勧誘のコツ-トーク編)

 対面営業とちがって顔の見えないWeb販売では、読者のモチベーションは判断のしようがない。だからおすすめポイントを1つ紹介するたびに「買いませんか」と購入ページのリンクを貼っておく。「ちょっとウザいかな」と思うくらいがちょうどいい。

7 虎の威を借る

 有名人の虎の威を借るのもアフィリエイトには有効だ。ボクの記事では「ももねいろ」を書いている人気ブロガーの桃音さんを紹介している。あまり好きなやり方ではないのだが、実際に桃音さんの記事を読んでハミングバードの購入を決めたので正直に書かせてもらった。

 以上が、ボクがアフィリエイト記事を書くときに意識している7つの秘訣だ。
 
 収益や売れる方法を公開する人はいても、実際に売れている記事を公開する人はあまり見ない。規約の問題やライバルが増えて稼げなくなるのを防ぐためだろう。「具体的にどういった記事を書けば売れるのか」と疑問を持っている人も多いと思うので、よければ参考にして頂きたい。もちろんマネできるところはどんどんマネて頂いて一向に構わない。

 今回書いたのは、ウェブでモノを売るためにごく当たり前の基本的な事項だ。ウェブ上にはアフィリエイトでものすごい収益を上げるブロガーやアフィリエイターが大勢いて、ものすごい人たちのものすごい裏技や方法論が無数に出回っている。それらはものすごいことには違いないが、だれでもすぐにマネできるのかと言われれば微妙なところ。

 だから素人に毛が生えたくらいの人間の誰にでもマネできる方法論も、ひとつくらいウェブ上に転がっていてもいいのではないかと思って筆を執った。ブログやアフィリエイトについて書くのはしばらく控えるつもりなので、出し惜しみもしていないし、現時点でボクがアフィリエイトについて語れることは包み隠さずすべて書いたつもりだ。