元Google Adsense担当が教える 本当に稼げるGoogle Adsense 収益・集客が1.5倍UPするプロの技60』(石田健介・河井大志共著・ソーテック社)を読んだのでご紹介。

Google Adsenseに関する情報はネット上にあふれているが、どれもサイト運営者の体験ベースの情報で、中の人の声というのはなかなか聞こえてこない。

収益が数千〜数億円規模の一部大手サイトでは専任担当者がつくらしいが、到底個人で目指せるようなモノでもない。

そんな中、Googleで実際に働いていた”中の人“の声は大変に貴重だ。
※本書の内容はGoogleの公式見解ではありません。

Google Adsenseで稼ぐための魔法のテクニックなど存在しない

本書の著者 石田健介氏は、元Google日本法人のAdsense部門担当者。Yahoo! JAPANからGoogleへ転職し、Adwords広告主向けのコンサルティング営業を3年間務めたあと、Adsense部門で大手メディア向けのコンサルティング営業を5年間行いチームリーダーも務めた、正真正銘グーグルの「中の人」だ。

現在は独立して会社を設立し、中立的な立場からメディア向けにマネタイズのコンサルティングを行っている。

共著者の株式会社Smartaleck代表 河井大志氏も知る人ぞ知るアフィリエイトのプロフェッショナルだ。

本屋で平積みされたタイトルをひと目見て、「これは何かグーグルの中の人しか知らない驚くべき真実が書かれているのではないか」と期待に胸を膨らませた。

しかし結論から先に言ってしまえば、誰もが驚くような稼げる魔法のテクニックや衝撃的なノウハウは書かれていない。

あくまで正攻法、クセ球なしのド直球な正しい運営方法が紹介されている。

本書の中で著者が一貫して訴えているのは、ユーザーや広告主の存在を尊重することだ。

 本書で一貫して言い続けたことは、サイト運営者である自分とGoogleだけではなく、広い目で関係者のことを考えてほしいということです。現代は、誰もが簡単に情報発信ができる時代です。これだけ多くのWebサイトが溢れているなか、自分で経験したわけでもない、専門知識に裏づけされたわけでもない、素人に毛が生えたような考察のコンテンツはユーザーからの支持は得られないでしょう。

あなたならではの視点、経験が必要です。個人や小さな企業といえども、大手メディアに勝てるコンテンツは必ずあります。それが、ユーザーにとって良い体験、面白い体験となり、役立つ情報になります。

あとがきに書かれている著者の言葉に、Googleの虚を突いて富を得ようとする輩に対する「アドセンスをなめるな!」というプライドのようなものを感じた。

では、本書がタイトル負けした読むに値しない駄作なのかと言われればまったくそんなことはなくて、むしろGoogle Adsenseで収益を得ようと考えるすべての人にオススメしたい.

アドセンス初心者にとってはGoogle Adsenseを深く理解しメディアやコンテンツの方向性を決めるためのテキストになるし、中級者以上の人にとっても自分がインターネットで得てきた知識が正しいものなのかどうかを測るガイドになりうる。

本書ではとくにAdsenseの守りの部分、つまりポリシー違反によるアカウント閉鎖を防ぐ方法を、実際に閉鎖になったサイトの実例を交えながら詳しく解説している。

さらに購入特典として、アダルトコンテンツと判定されるページによく含まれるキーワードのリストもダウンロードできるようになっている。

アドセンスですでにある程度以上の収益を上げているものにとって一番怖いのはアカウントの閉鎖だ。

しかしその基準についてはブラックボックス的な部分があって、インターネットで知り得る情報をもとに探り探り対策をしなくてはならない。

だから「これはアウト、これはセーフ」と具体的な線引きをしめしてくれている本書は大変に貴重な存在だ。

中の人が暴露!? アドセンスで最も稼ぎやすい7つのジャンル

個人的に本書の一番の読みどころはアドセンスの”守り”の部分だと感じているが、”攻め”の部分、つまりアドセンスを掲載するメディアの作り方も詳しく解説されている。

まだアドセンスのアカウントを持っていない人や、これからアドセンスに本格的に取り組もうと考えている人にも、メディア制作・運営に役立つ情報を提供してくれる。

たとえば、アドセンスでとくに収益率の高いジャンルとして、次の7つが紹介されている。

  • 趣味関連のサイト

趣味関連のサイトはアフィリエイト商材がなかなか見つからないことがある。

たとえば私は卓球が趣味だが、卓球に関する商材はほとんど見当たらない。

しかしアドセンスであればピッタリの広告が配信されることも多く、クリック率も高い傾向にある。

  • 不動産関連のサイト

「一軒家とマンションはどちらがいいか?」「新築マンションと中古マンションはどちらがいいか?」など、家族世帯の不動産に関する悩みは深い。

しかも不動産は1件の成約で数千万〜数億円の大きな金額は動くので、配信される広告のクリック単価も高めに設定されていることが多い。

  • 婚活関連のサイト

婚活に関する悩みは深いので、クリック率が高い傾向にある。

婚活関連のアフィリエイト商材は多いのだが、そのほとんどが婚活サービスサイトの案件なので、広告が偏ってしまう可能性が高い。

その点広告の種類が豊富なアドセンスであれば、ユーザーの興味を引くさまざまな広告を表示することができる。

婚活サービスは月々の継続課金モデルが多いため、クリック単価も高めに設定されている。

  • 育児関連のサイト

育児に関する悩みも婚活同様に深く、クリック率が高い傾向にある。

しかも育児の悩みは多岐にわたるので、競合の少ないニッチなキーワードでも検索流入が期待できる。

つまり、ほかのジャンルに比べてサイト運営のハードルが低めということ。

  • BtoB向けメディア

ビジネスとビジネスをつなぐBtoB(Business to Business)のアフィリエイトは、法人向けの商材のため動く金額が大きく専門知識も必要なため難易度は高めだ。

しかしアドセンスであればクリックされるだけで報酬が発生するので収益化しやすく、クリック単価も高めに設定される傾向にあるので、前職の経験が活かせる分野などがあれば積極的に取り組みたい。

  • 総合的な女性向け、男性向けメディア

悩みの深い分野に特化したメディアとは反対に、雑多なテーマをあつかう総合メディアも大きなPVを集めやすいためアドセンスに向いている。

通常のアフィリエイトや純広告、記事広告など、さまざまな種類の広告を利用できるのも総合メディアの強み。

私が以前働いていた月間数億PVの総合メディアでも、純広告や記事広告とともにアドセンスが収益の大きな柱になっていた。

  • SNSウケするメディア

感動系、泣ける系、笑える系などの話題を集めたメディアは、SNSでのバズを狙った集客がやりやすい。

しかしどの年代・性別にも当てはまる漠然としたテーマなので、どんな読者が集まってくるかが予測しづらい。

通常のアフィリエイトはターゲットを限定するのでSNSウケするメディアとはあまり相性が良くないし、読者とぴったりマッチする商材はなかなか見つからないかもしれない。

その点アドセンスであれば、読者ひとりひとりにパーソナライズされた広告が配信されるので収益化しやすい。

アフィリエイトでは収益化しづらいジャンルのサイトでも広告を配信できるのが、アドセンスの強みというわけだ。

今回は割愛するが、本書ではさらに各ジャンルにおける具体的なコンテンツの種類が、「SNSとSEOのどちらに向いているか」などの情報もあわせて8つ紹介されている。

  1. ノウハウ系コンテンツ
  2. アンケート調査系コンテンツ
  3. まとめ、比較、一覧系コンテンツ
  4. おもしろ!泣ける!共感系コンテンツ
  5. インタビュー系コンテンツ
  6. ニュースやトレンド系コンテンツ
  7. 芸能人・著名人コンテンツ
  8. テレビ系コンテンツ

それぞれのコンテンツのライティング手法や作成例なども詳細に書かれているので、初心者でも本書を読みながら早速コンテンツ制作に取り組むことができるはずだ。

まとめ

メイ 1808

ボク自身の話をすると、アドセンスの審査に通ってから報酬の合計額が8000円を超えてはじめて自分の銀行口座に振り込まれるまでに、丸2年以上掛かっている。

はじめのうちは毎月数十円にしかならないので「なんてバカバカしいんだ」と思っていた。

しかし口座の明細にはじめて「振込 グーグル」と書かれているのを見たときの感動は今でも忘れられない。

それにアドセンスは、季節や月によって多少前後はするけれども、一度稼げるようになると、安定して収入を得ることができる。

第一線で活躍しているブロガーやアフィリエイターの方々の話を聞くと、みな広告の配置やデザインなどには尋常じゃないくらいこだわっている。

ボクも本書の60の実践術を参考に、アドセンスやアフィリエイトについてもっと真剣に取り組もうと思った。

これからアドセンスをはじめる人にも、ある程度稼いでいてもっと収益を伸ばしたいと感じている人にも、『本当に稼げるGoogle Adsense』はぜひともオススメしたい一冊だ。